紅の葬送曲


京の遺体には首の頸動脈と背中に切り傷、胸に刺し傷があった。




どの傷も死に関わる程深いもので、京は何かにすがるようにドアの方に手を伸ばした状態でうつ伏せに倒れていた。





元気で明るかった親友はそれが嘘だったかのように、冷たく悲しい姿に変わってしまっていた。




何で京が死ななくてはいけなかったのか分からない。





何で私の周りばかりで大切な人が死ぬのか分からない。





一体、誰が京を殺したのか分からない。





「京……」




ソファーに寄りかかりながら下を向くと、スッと目の前にティーカップが差し出された。




ティーカップからはミルクの甘い香りと紅茶の独特の香りがする。





そのティーカップを差し出す人物を見上げると、彼は穏やかに笑っていた。




「寿永隊長……」




「酷い顔だな……。飲め、俺が入れたから味の保証はしないけどな」





酷い顔……。




私は自分の顔がどんな顔をしているか分からなかったけど、彼からティーカップを受け取った。




ティーカップの中身はミルクティーで一口飲めば、ホッとするような甘みが口に広がる。








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