溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
3.「…私を抱き締めてください」
帰りの車の中で、すっかり意気投合した私とルカは、携帯の番号まで交換して、その日はそれ以上何事もなく別れた。

アパートに入って、一段落した私は、座椅子に座ってふと思う。

ルカは、誰かに似てる気がする。

でも、誰に?

しばらく考えてみても、解らなくて、考えるのをやめた。

…それから、1週間後、私は何時ものように、厨房でデザートを作っていると、お客様のお呼びと言うことで、その席に向かった。

「…パティシエの朝倉です。デザートのお味はいかがでしたか?」

「…とても、美味しくいただきました」

そう言って微笑んだのは。

「…ルカさん!来てくれたんですか?」

送ってくれる道中、店のことは話していたが、まさか、きてくれるとは思っていなかった私は、驚きを隠せなかった。

「…必ず行くって言っただろ?」
「…ありがとうございます」

「…お店は何時に終わる?終わったら連絡が欲しいんだけど、一緒に帰ろう?」

嬉しい提案ではあったが、片付けが終わるのはいつも遅い。次の日の準備もあるし、待たせるわけにはいかない。

「…ごめんなさい、嬉しいんですが、まだまだ仕事が立て込んでまして」

「…いいよ。俺も会社に戻るから、終わったらとにかく連絡して、いいね?」

「…でも…あ、それに私は、自転車通勤なんで」
「…美々。自転車は、ここに置いておけばいい。朝も送ってあげるよ」

「…ルカさ「…すみません、朝倉さん!厨房でシェフがお呼びです」

「…え、あ、」
「…ほら、早く帰って。連絡待ってるから」

そう言うと、席をたち、ルカは店を出ていってしまった。
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