忘れられた未来
01 地味に行きましょう


道端のゴミ箱が揺れた。



猫が交尾していたのだ。



この道は日頃から通行人も多い場所でもなく、夕暮れ時の今は私以外いないみたい。



私はしゃがみ込んで、それをただまじまじと見ていた。



ニャーニャーと鳴きながらそれを続け程なくしてそれが終わった。



もしも、人間が同じことをこんなところでしていたらと考えると可笑しくて堪らない。



今の私のように黙って見ている人、通報する人、写真や動画に収める人…いろんな人達がいるだろう。



おっと、こんなところで立ち止まっている場合ではない。




「猫さん、頑張って子供産んでね。」




疲れた顔をしているような猫に手を振り、私は駆け足でいつもの所に向かった。
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