王子様とハナコさんと鼓星
プロローグ


『美しい花には毒がある』


その言葉はあの人と言うジグソーパズルの最後の1ピースのようにピッタリと合っている。


それとも、その言葉はその人の為にあるのかもしれない。そんな訳がないのに、そうとも思える。


その毒は、ときに傲慢で時に慈愛に満ちて、ほろ苦く甘美。



美しく優雅で、何億円もの価値がある宝石のようにキラキラとしていて、敢えて言うならば裸になった山に初雪が積もり木々が白い花を咲かせたような魅力もある。


高嶺の花だと思ってた。別世界の人だと。


それでも、あの人はその世界すら飛び越えて私に大きなダイアモンドのついた指輪を差し出した。


『結婚しませんか?』


出会って約2ヶ月、交際0日。

そして、好感度マイナス100の新婚生活ははじまった。



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