王子様とハナコさんと鼓星

「そうだ。気が早いけど…子供は3人は欲しいかも」

「はい……って、えっ?ちょっ…気が早すぎますよ」


まだ、やっと思いが通じたばかりなのに。

「わかってるよ。まだ、先の話。もう少し2人でいよう。そして、俺が見た事が無いものを華子から教えて欲しい。俺も教えるから」


「は、はい…沢山ありますよ。あのハンバーガー以外にもリーズナブルで美味しいものが」

「楽しみだな」

そう言うと、不意に額にキスが落ちた。目を上げて凛太朗さんを見上げる。

「華子、好きだよ」

「は、はい…」

ふ、不意打ちはずるい。そんな事を言う雰囲気じゃなかったのに。

また凛太朗さんの胸板に顔をうめ、わたしも負けじと口を開いた。

「私も…好きです」



これから先、きっと…もっとこの人を好きになると思う。もっと、大切な人になる。


凛太朗さんとの始まりは、人とは違う。それでも、お互いを好きになった。

色々とあったけど…私はこの人と共に歩いていく。

手を伸ばし、凛太朗さんの手を握ると同じように握り返してくれた。


この手が繋がっている限り、これから先、またすれ違っても大丈夫。歩んで来た道は異なっても一緒になった今は手を繋いであるく。

お互い、考え方が異なっても、見る方向は違っても…向き合う事をやめないで、話を聞いて歩いて行きたい。


これからも、ずっと。




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