今日はキミに
「あの…えっと顔赤いけど、大丈夫?」


声をかけられてはっとした。


「は、はい!だ、だい、大丈夫です!」


あぁ…なんでこんなに噛んじゃうんだろ。


私も萌愛みたいに可愛かったら…
上原さんみたいにかっこよかったら…


そんなことを考えていると、


「そっか、よかった」


と、優しそうな二重まぶたの綺麗な瞳を
ゆっくりと細め、
白いけれど少し紅色に染めた頬を
キュッと緩ませた。


ドキッ…ドクドク…


さっきから心臓がうるさいよ。
それにしてもかっこよすぎるよ…。


早くドキドキがおさまってくれないかな…。



「そう言えば、同じクラスだよね?
名前は?」


「えっと…こ、小森遥花です…」


「そっか、よろしくね。
僕は佐倉奏海だよ。」


「うん…!よろしくね!」


その日、彼は私の中で
「図書委員のクラスメイト」から
「佐倉拓海くん」になった。


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