30センチのきょり



「…っはる、くっ…」



もう号泣状態で。


涙が溢れて溢れて止まらない。


「え、あ、ゆ、雪っ?」


遥くんの焦った声が聞こえる。

違う。これは嬉し涙だから。


「ちが、う…」


必死に伝えようとするけど、泣きすぎて声が出ない。



「…ごめん、雪。」


どうして、謝るの。

違うってば…


もうどうしていいか分からないから、私は遥くんに抱きついた。

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