クールアンドドライ
 理香と別れた後、あっくんのマンションへ向かった。
今日は、昼間から会いたいと言われていたけど、理香との約束があったから、「用が済んだら、部屋に来い」と言われていた。

 インターホンを鳴らすと、「お帰り」と、出迎えられた。ちょっと照れる。

 あっくんは、恋人とは、できるだけ一緒に居たいタイプみたい。
正直、不安な事もある。
だって、私は、一人が好きだし。

 随分とぼーっとしていたらしい。
ソファーの隣に座ってきて、「どうしたんだ?不気味なほど静かだな。」と、言われた。不気味って、失礼だな!

 それから、何となく感じている不安を話した。

 「慣れだろ、そんなの。咲希はさぁ、中学生の時から、一人が好きだって、思い込もうとしてきたんだよ。俺、本来の咲希は、そうじゃないと思ってる。」
「本来の私って?」
「俺の知ってる咲希は、ちょっと人見知りだけど、わりと寂しがり屋だったよ。いつも真希の側にいたし。」
「それは、まだ小さい頃の話じゃん。てか、何で中学生の時の事を知ってるの?」
「浩人に聞いた。」
ああ、何でこうも筒抜け!まぁ、いいけど・・
でも、ちょっと恥ずかしいというか、やっぱりプライバシーって大切よね。

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