クールアンドドライ
 少しいい気分で、事務員さん達のコーヒーを淹れた。
あ、お局様はお茶だった。
派遣さんなんだけど、藤森先輩よりも長く働いている。
 お局様とはいえ、とても良い人だ、ただ、雑用はやらない。
まぁ、やられても、困るか。

 4人分のお茶とコーヒーをお盆に載せて運ぶ。
 フロアーに入ると、派遣の坂口さんがお茶を配っていた。
三課の課長に、配っている。
声を掛けて、お盆の上から取ってもらう。
そのやり取りを見て、なんだか胸がざわついた。
いつもの風景なのに。

 気を取り直して、お局様と藤森先輩にお茶を配った。

 コーヒーを飲みながら、気持ちを入れ替えようと思う。
取り敢えず、今は仕事しよう。
なるべく、三課の方を見ないようにした。

 何とか仕事が終わった。
定時は少し過ぎたが、残業がつくほどではなかった。

 ああ、疲れた。
月曜日から、なんだか精神的に疲れた。
家に帰ってきてからも、頭の中を支配されている、・・・不本意だ!

 そんな週の真ん中で、珍しい事が起きた。
「お昼、一緒に行かない?」そう、誘われた。
藤森先輩に。
 藤森さんは、何時もは、同期の仲の良い方達とお昼休みを過ごしている。
最近、様子が変だなぁとは思っていたけど。
< 59 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop