クールアンドドライ
 「なんか、矛盾してない?」
ドヤ顔の私にたいして藤森さんは、腑に落ちない、といった顔をしていた。

 「そうですか?」
「そうだって、だって、他人に興味がないのに、どうして他人の観察が出来るの?」

「ああ、言われてみればそうかも。うーん、深く考えた事は無いんですけど、昔、、中2の時に、クラスメート全員からシカトされてた事があるんです。多分、その時から他人に興味を持たなくなったんです。その代わり、何となくクラスメートを傍観するようになったんだと思います。んー、よく解らないけど・・」

 「苦労してるのね。」

「まぁ、おかげで強くなりましたよ。シカトってこっちから話しかけなきゃ、成り立たないし、1人の方が自分に合ってて、気が楽だってことにも気付けました。」
 そのおかげで、友達は少ないけどね。
気にして無いけどね。
そんな事は言わないけどね。
だって、目の前の彼女は、憐れんだ顔をしている。
 そう言えば、彼女は、いつも誰かとランチしてるなぁと思った。
ロッカールームでも、1人で居ることがない。
寂しがり屋なのか、単に噂好きなのか、多分両方だな、と思った。

 「成り立たないとしても、シカトされたら寂しいもんでしょ?普通。それなのに、・・滝ちゃんがドライって元々の性格なのかしら?」
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