眠らせ森の恋
 はーい、と立ち上がると、
「おっ。
 給湯室に小局(こつぼね)様から呼び出しか?」
と笑われた。

「なんですか。小局様って」

「上には上が居るから。
 あれはまだ、小局くらいだろ」
と西和田はボールペンの背で英里には見えないようにノートパソコンの陰から英里を差す。

「俺とコソコソ話してるから呼ばれたんだろ?」

「いや、わかってるのなら、話しかけないでくださいよ~」
と言いながら、怒られないうちに行こうと立ち上がる。






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