眠らせ森の恋
家にあるのに、と文句を言うと、何故か、奏汰が少し笑った。
「なんですか?」
と見ると、いや、と言う。
「ところで、なにか用だったんじゃないのか」
ああ、そうだっ!
とつぐみは、ようやくなにをしに来たのか、思い出す。
「じ、実は、次の日曜日に、お父さんたちが遊びに来たいと――」
「くればいいじゃないか」
そうあっさり奏汰は言ってくる。
「でもあの、新婚っぽく見えるかどうか不安なんですが」
いや、結婚はまだしていないが。
一緒に住み始めたばかりのカップルにも見えそうにない気がするんだが、と思っていたのだが。
「見えるんじゃないですか?」
いきなり声がして、二人で、うわっ、と振り向く。
いつの間にか、西和田が封書を手に立っていた。
西和田は、
「さっき、ノックしましたよ」
としれっと言って、
「……返事してねえだろ」
と奏汰に言われていた。
「なんですか?」
と見ると、いや、と言う。
「ところで、なにか用だったんじゃないのか」
ああ、そうだっ!
とつぐみは、ようやくなにをしに来たのか、思い出す。
「じ、実は、次の日曜日に、お父さんたちが遊びに来たいと――」
「くればいいじゃないか」
そうあっさり奏汰は言ってくる。
「でもあの、新婚っぽく見えるかどうか不安なんですが」
いや、結婚はまだしていないが。
一緒に住み始めたばかりのカップルにも見えそうにない気がするんだが、と思っていたのだが。
「見えるんじゃないですか?」
いきなり声がして、二人で、うわっ、と振り向く。
いつの間にか、西和田が封書を手に立っていた。
西和田は、
「さっき、ノックしましたよ」
としれっと言って、
「……返事してねえだろ」
と奏汰に言われていた。