(完)最後の君に、輝く色を
そうやってグズグズしている間に昼休みになっていた。



「よしっ」



バンッと机を打って立ち上がった。



「行ってくるっ」



「どこに」



鋭く聞き返されたけど、申し訳ないが無視して教室を出た。



小走りで職員室に向かっていたら、途中で人にぶつかった。



前のめりに走っていた私はうまくバランスを取ることができず、そのまま尻餅をついてしまった。



「すみませっ」


謝ろうと思って、相手を見た瞬間体が固まった。



「あちゃー、ごめんな」



先生はすまなさそうに手を合わせて、呆然としている私に目線を合わせるように座り込んだ。



「大丈夫か」



手を差し伸べながらそう聞いて来て、私は声も出さずにただ頷いてみせた。



そのまま手を取ると、強い力で引き上げられて立ち上がった。




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