ずっと、君との約束を。

「尚哉くん…なんかごめんね、巻き込み事故みたいになっちゃって。」

「大丈夫だよ、誰も出ないなら俺が出ようと思ってたし。」

今は放課後、主役二人て練習をしている。
いわゆる、W主演の私達は喫茶での接客をしない代わりに、ずっとロミオとジュリエットの役として劇をしていなければならない。
体力的にも精神的にもキツい事になりそうなので、早めに役作りをしておくことにしたのだ。

「尚哉くんもお芝居好きなの…?」

「いや。芝居を見るのは好きだけど、演じる方はあまり得意では無いかな…蒼先生、ご指導お願いします、ね。」

「うん、私で良ければ…。でも、得意じゃないのに挑戦することって怖くない…?」

私は下っ端と言えども、一応演技を職業にしている身だ。今更人前で演技することになんの抵抗もないが、尚哉くんは違うだろう。

「怖いよ。でも、ジュリエットが蒼だったから、やってみようと思ったんだ。それに、これ以上桐生くんと仲良くなられるのも、面白くないからね。」

「……え…?」
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