白雪姫

いつもなら笑顔でむかえてくれる結姫がいる。

しかし、そこにいたのは顔を白い布で覆われている結姫だった。

うそだろ......

俺は信じられなかった。

ゆっくりと布をめくる。

結姫はいつもの白雪姫のような美しい顔で眠っていた。

白い肌に赤い頬と唇。

「結姫......」

彼女の頬をそっとなでる。

しかし彼女は冷たく、目を開けることはなかった。

ふと2人で読んだ絵本を思い出す。

白雪姫を永遠の眠りの呪いをといた王子様のキスを。

もしかしたら彼女にキスをすれば目覚めるかもしれない。

永遠の眠りについた白雪姫を。

俺はゆっくりと彼女の唇にキスを落とした......


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