大切なキミの一番になりたかった。

それぞれの道

夏休みも残り三日。今日も私はユウくんの病室へ来ていた。

「ユウくん、無理していない?」

訪れると、ユウくんは受験勉強をしているところだった。

ここ最近はいつもそう。時間があれば勉強している。

いくら回復しているとはいえ、まだ完全に完治していない。だから心配でいつも聞いてしまう一言に、彼もまた同じ言葉を繰り返す。

「大丈夫だよ、知花は心配しすぎ。つーかこれくらいしないと受験やばいから」

クスクスと笑いながら話すユウくんに、私もまたつられるように笑ってしまった。


少しずつだけれど、ユウくんは前へ進んでいる。毎日病室を訪れて話をするようになって、今では以前のように話してくれるようになったし、笑ってくれるようになった。

「それより知花は大丈夫なのか? 宿題は終わった?」

「もちろん!」

性格なのか、いつもほとんど七月中に終わらせてしまっている。
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