極上求愛~過保護な社長の新妻に指名されました~
そうして最後にもう一度だけ、相沢さんに目を向けた。

「茜のこと、よろしくお願いします」
「はい」
「でももし、またあなたが茜のことを泣かせるようなことがあれば…遠慮せずに奪いに行きますから」
「肝に銘じておくよ」

「じゃあ」そう言って2人に背を向ける。

ためらったら一生後悔する気がして、今回の賭けに出た。
結果は惨敗だったけど、なぜか清々しいような不思議な感覚が自分の中にあった。

…いや、正しくは悔しさ99%、清々しさ1%だな。
まぁでも今は、あいつの本気に任せてみよう。

そんなことを考えながら、背中に聞こえた茜からの「ありがとう」には後ろを向いたままひらひらと手を振った。



――――……

「御堂君には赤と白、どっちがいいかしらね?」
「赤と白?どういう意味なんですか?」
「白は「希望」、赤は…「君を愛す」」




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