サワーチェリーパイ 6ピース
翌日、ここちへメールを送る。


『ここち

 お前はお前の夢を追え

 俺はもう会わない、
 絶対に       』



返信は無く、ここちは西工業の通学路に立っていた。


そして、俺の軽トラをただ見つめているだけ。


通り過ぎる時、何度も降りて駆け寄ろうと思った。


だけどそれは出来ない、


『歌姫の男は総番長』


なんてスキャンダルにされたくないから。


相手を大事に思うからこその別れを、15歳の俺は初めて経験した。
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