ありがとうって何回言っても足りないよ。
あたしは背の高い彼を見上げながら睨む。


「なにそれ?睨んでるつもり?」


だけど、あたしの精一杯の睨みは全く答えていない様子で鼻で笑われてしまった。


「まーさ、逃げずに来いよ?雪ちゃん。」

「っ!」


彼があたしの頭に手を乗せてきたのであたしはビックリして、彼の手を振り払ってしまった。


や、やばい…。


その後のことは覚えていない。


あたしは全速力でその場から駆け出したから
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