午後4時30分 有馬先輩の秘密の彼女

午後1時30分 神様のイジワル

【茜side】

陸とケンカをした日から、早くも2週間が過ぎた。

…未だに、冷戦状態。



「茜っち、なに暗い顔してんの?せっかくの文化祭なのに!」


そう、今日は文化祭初日。

教室の隅っこで考え事をする私の顔をひょこっと覗き込んできたのは同じクラスの羽衣ちゃん。

メイド服姿で、お客さんから受けたオーダーを調理担当の私に持ってきてくれたらしい。



「ごめん、何でもないから気にしないで」


うちのクラスの出し物は文化祭の定番、メイドカフェ。

接客なんかできそうにないし、メイド服を着たくない私は調理班を選んだんだけどね。



「1時から休憩だよね?ここはいいから、もう休憩入っちゃいなよ」

「やった!ありがとう!あ、そういえば、2年E組が1時過ぎから体育館で劇やるらしいんだけど、王子様役の人がめっちゃカッコいいんだって!!」


2年E組って…先輩のクラスだ。



「名前、なんだっけなぁ…あ、ありま?みたいな感じだったかも!」



ドクン…


有馬先輩…



ガラッ

「あ、新堂さんいた!2年の男の先輩が呼んでたよ。裏庭で待ってるって」

「え?」



急に現れたクラスの男の子の発言に、私の心拍数はあがった。


…そんな、まさかね…



実は私、陸とケンカをしたあの日から1度も準備室には行っていない。

どんな顔して会えばいいの?なんて、考えてるうちに放課後も文化祭の準備が忙しくなっちゃって…


「茜ちゃん、俺、キミのことが好きなんだ」

「…ありがとうございます。でも、ごめんなさい。私、好きな人がいるので」

「そっか、ありがとう」


もう1つ、あの日から変わったこと。

なぜだから分からないけど、あの日を境に告白を数回受けた。


モテ期到来?なんて思ったけど、フるのはきつい。

フるほうもフラれるほうも辛いなんて初めて知った。


「おかえり、茜!…もしかして、また?」



教室に戻ると声をかけてきたのはメグ。


メグはモテるし、話を聞いてもらうには丁度いいんだよね


「…うん、2年の先輩だった」


「はぁ…あーあ、陸がいないとやっぱりこうなるよね…」

「え?」


メグのつぶやきは私には聞こえなかった。



「何でもない、休憩まであとちょっとだし、働くよ!」

「…うん」

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