君を忘れるその日まで。


「………ふっ」


重なった記憶に逆らうことができずに小さく吹くと、勉強をしていた2人が不思議そうに顔を上げた。


「どうしたの?祐樹くん」


「急に笑い出すとか気持ち悪いぞ」


「あぁ、ごめん。2人がちょっと知り合いに似てて」


「祐樹の知り合い?へぇ、どんなやつ?」


興味津々な様子の凪に答えようとすれば、佐城さんが凪の頭に軽くチョップを食らわせる。


「いてっ」


「凪、あんたは先に勉強でしょ。まだあと3問、解き終わってないんだから」


「はーい……」


佐城さんに教わりながら渋々と勉強を進める凪に、俺は心の中で「あとで教えるよ」と呟くのだった。

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