君を忘れるその日まで。


「懐かしいな……」


昔のように感じる記憶に思いを馳せて笑っていると、ふと、誰かに肩を叩かれる感触が訪れた。


「え……」


勢いよく振り向けば、目に入ったのは金髪ツンツン頭の男。


「やっぱりお前、祐樹だよな!?
久しぶり!俺のこと覚えてる?」


「え……あ!三村(ミムラ)!?」


容姿が特徴的な三村は、俺が高2の時のクラスメートで、周りからも慕われていた明るいやつだ。


「そうそう、本当久しぶりだな!
お前あのあと学校こないまま転校しちゃったから、すげー心配してたんだよ!」


「あ、ごめん。ちょっと事情があって……」


俺が記憶喪失だったことは周りには内緒にしたまま転校したから、クラスのみんなには心配かけただろうな……。

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