君を忘れるその日まで。


「えー、今黒板に書かれた種目が、今年の体育祭にやる全種目だ。
進行は総務委員に任せるから、あとは好きにやれー」


転入してからしばらく。


クラスメートたちとも段々と距離を縮めつつあったこの時期に、なんとも面倒くさい行事が開催されるらしく。


担任の言葉に、俺を除くクラス全員が元気な声で了解の返事をしている。


「体育祭、か……」


俺は周りに気づかれないように小さくため息をついた。


体育祭って、どこもあるんだな……。


この時期になるといつも疑問に思う。


なぜ、体育祭なんてものがこの世にあるのだろうと。

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