幸せの晴れ

・契約



喫茶店に入り、おじさんはコーヒー、私はアイスココアを注文。


向かい合って座り、おじさんは


「私は清水 達也(しみず たつや)です。」


名前を名乗った。


私も、


「安積 陽菜です。」


と、軽く頭を下げる。


「陽菜ちゃんか。よろしく。

私は一応、会社で責任ある立場にいるんだ。

妻と高校1年生の息子が1人いる。」

「私も高1です。もう学校には行きませんが。」

「そっか。

妻とは表向きは仲のいい夫婦だけど、実際は違うんだ。

会社でも家でも息がつまりそうになるからマンションを一室借りててね。

息抜きの為にそこでゆっくり読書したり、音楽を聴いたりしてるんだ。」
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