幸せの晴れ
その瞬間、景色がかわり離れて天井が見える。
横に寝転がる私の上に樹が覆いかぶさってきた。
「やめて。」
私は冷静に呟く。
「やめて」と言ったところでやめるはずはなく、
そんな事は十分わかっていた。
荒々しく服の中に手を入れてくる樹。
私はさっきより大きな声で、
「やめてよ!」
と、樹の肩を押した。
けれど、
「黙れ。」
その一言と平手打ち。
叩かれた左頬が痛い。
樹は鋭い目で私を見て、その後ニヤリと微笑んだ。