同性愛者。

「―――話って、なんですか?」


部室に不安げな表情を見せた咲が目の前にいた。

私は少し笑ってみせて「うん」と言う。


「咲は…私のこと好きって……言ってくれたよね?」

「はい」


咲は返事をして、不安げな表情から真剣な表情になっていた。


……そんな顔をするから…。

私は離れられないんだよ……。


「その気持ちは嬉しい。だけど……」

「けど?なにかあるんですか?」


私は、いつの間にか…腕をぎゅっと握り締めていた。


これ以上、何かを言うことをやめてしまいたい。

やめて、咲とまた……―――
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