終わらないかくれんぼ
「ただいま〜」
ただいまなんて言っても返事なんか帰ってくるはずない。
私のお母さんとお父さんはある日突然いなくなった。
いつも「見つかる。」「見つかっちゃだめだ。」って呟きながら震えてた。
そんな2人に私ができることはなにもなかった。
精神病院に行くことを勧めても結局は行ってくれなかった。
前までは普通のお母さん、お父さんだったのに。
あの日から…
私のお母さんとお父さんはさっちゃんと同じで心霊スポットや心霊系の話が大好きだった。
休みの日の夜は2人でよく行っていた。
あの日も2人で家を出て行った。
いつもみたいに「なにもなかったよ」と言って帰ってくると思っていた。
なのに…
帰ってきた2人震えながら「隠れないと」と 1言だけ言って部屋のあちこちを漁っていた。
その時、異変に気づいていれば、ちゃんとお母さんとお父さんの話を聞いていてあげればいなくなることもなかったのかもしれない。なんてたまに考えてしまう。
お母さん達は深夜0時学校の近くの倉庫に行ってからおかしくなった。
そう、これから私が、私達が行く倉庫に行ってから。
もしかしたらなにか分かるかもしれない。
お母さんとお父さんの手がかりが見つかるかもしれない。
なんて少し期待していた。
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