キミがくれたコトバ。
第5章
31



文化祭当日。

「おはよう、みんな。今日は頑張りましょうね!」

瞳先生が言った。

京くんも体調が良いみたいだし、大輔くんも寝坊せずに学校へ来た。

「日奈子ちゃん、ちょっといいかな……?」

澄春くんが言った。

「どうしたの?」

「話があるから、体育館裏に来て。」

言われた通りに、私は澄春くんと一緒に体育館裏へ向かった。

文化祭だけど、体育館裏は、さすがに全く人気がなかった。

体育館裏に着くと、澄春くんは立ち止まった。

「日奈子ちゃん……。」

な、何だろう……、顔が赤い……?

「澄春くん、顔赤いけど大丈夫?」

体調が悪いなら、保健室にいた方良かったんじゃ……?

「顔が赤いのは、緊張してるせい。」

緊張……??

「あのさ、こんな所で、しかも今言うことじゃないって分かってるんだけどさ……、」

どうしたんだろう??

「僕……、日奈子ちゃんのことが好き。」

……!?

!?!?!?

「えっ……!と……。」

頭が働かない。

え、何……?

私、澄春くんから告白されたの……!?!?

「ごめん。困るよね!急に言われても……!」

え、えっと……!

「い、良いんだ。日奈子ちゃんは颯磨くんのことが好きだって分かってるから。だから、これは僕が勝手にしたことであって、日奈子ちゃんにどうして欲しいとか、そういうことじゃないから……。」

ど、どうしよう……!?

何て言えば……!?

「い、いつから……?」

「前に、僕のこと、凄いって言ってくれたよね。」

確かにそんなことがあった。

『私からみたら、澄春くんだって凄い よ!全国模試、市内2位だって簡単に取れるものじゃないし、顔だって格好良いでしょ!?』

って。

「初めてだったんだ。真面目にそんなこと言ってくれる人。」

嘘……。

澄春くんは何でもできるから、今までにだって、そういうこと、何回も言われたことがあるはずなのに……。

「だから……、あの、今日の『恋人迷路』の時だけでいい。僕の恋人になってくれませんか?」

全身がみるみる熱くなる。

「私こそ、私なんかで良いの……?」

「良いよ。日奈子ちゃんがいい。日奈子ちゃんじゃなきゃ駄目だよ。」

そんなこと……、言ってくれるなんて……。

私のこと、身長が低いって、馬鹿にしないの……?

私のこと好きになってくれるの……?

よくみたら、澄春くんはやっぱり颯磨くんに少し似ている。

格好良くて、頭が良くて、優しくて……、おまけに、澄春くんは私のことも好きになってくれるなんて……。

これ以上の幸せは無いよ。

ねえ、澄春くんじゃ駄目なのかな……?

澄春くんでもいいかな……?

颯磨くんを完全に諦めて、澄春くんでも……。
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