人面瘡
ぼんやりとベッドに寝転んでいると、雄生がテーブルに地図を広げはじめた。


「なにしてるの?」


「おつねのことを調べるんだよ」


「地図で?」


そう聞くと、雄生はこの前図書館で見た地元の資料を取り出した。


いつの間にか借りて来ていたらしい。


「この本にはおつねの体見つかった箇所が書かれている。それを地図上で探すんだ」


「そうすれば顔が埋められている場所が特定できるの?」


「わからない。でも、埋め方に法則があった場合は見つかるかもしれない」


雄生の言葉にあたしはベッドから上半身を起こした。


まだ頭はクラクラするけれど、ましになってきていた。


「まず最初に発見されたのは右腕。地図上では北の方角になる」


雄生はそう言いながら地図の上を探す。
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