人面瘡
もし、雄生が他の誰かと付き合い始めたら?


そう思うと、胸が張り裂けてしまいそうだった。


あたしは絆創膏を先生のデスクの上に広げ、ペンを取った。


「ここに名前を書くだけでいいんだよね?」


「そうだよ」


絆創膏の裏は粘着力があって書きにくかったけれど、時間をかけてどうにか雄生の名前を書く事に成功した。


あたしはそれを大切に自分の右ひざに貼りつけたのだった。
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