極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「一人でそんなに持ってきて、だから迎えに行くと言ったんだけど?」


仕方なさそうに笑って玄関に出てきた慶太さんは、置いたキャリーケースを軽々持って中へと運んでくれる。

「これくらい、大丈夫です!」と答えながら、そのあとへと続いた。


長い廊下を進み奥のリビングへと入ると、思わず「わっ……」と声が漏れる。

この間来た時はまだ殺風景だったリビングが、まるで違う場所に来てしまったようだった。

元々あったソファーセットの元にはグレーの毛足の長いラグが敷かれ、近くには巨大なテレビが壁面に掛けられている。

床と同色の木製のディスプレイや、部屋の各所には観葉植物も飾らせていて、広い空間がホッとするような雰囲気を醸し出していた。

壁に掛けられた絵や、ディスプレイされた置物が、私の意見したナチュラルな仕上がりを演出している。

< 211 / 358 >

この作品をシェア

pagetop