極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


外に出て数分後、黒塗りの国産高級セダンが静かに到着した。

運転席には専属の運転手だろうか、黒いスーツを着た白髪混じりの小綺麗な男性がハンドルを握っている。

スモークの貼られた後部座席位置が目の前までくると、停車した車から園咲さんが姿を現した。

ドアが開き、黒いマットレザーの革靴がアスファルトの地面に着地する。

今日はブラックのスーツに身を包んだ長い脚に見惚れていると、「すみません」と声を掛けられハッと視線を上げた。


「こんにちは。お待たせしてしまいましたね」

「いえ! 出てきたばかりですので」


見上げた園咲さんは今日も流れる綺麗な髪をきっちりセットして、抜かりなく決まっている。

私の視線に目を合わせると少し口元を緩め、「どうぞ」と車内へ促してくれた。

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