僕は桜に恋をした。
9.真実の物語
僕は日本についてからすぐに実家に向かった。





休暇といっても長期間も取らせてはくれない。




町の雰囲気は10年経った今でも全く変わっていなかった。



家の前に着いた。






僕はゆっくりと玄関のドアを開けた。





今日は休日なので親は二人ともいるはずだ。





「…奏太…。」





ドアの音に気づいたのか母がリビングから出てきた。




母はすごく驚いていた。





留学中の息子が連絡もしないで帰ってきたら驚いて当然だ。





休んでる暇はない。





僕はすぐにリビングの方へ行った。





そこには父もいた。




「話したいことがあるんだ。」




僕は二人に向かってそう言った。





二人はだいぶ混乱しているだろう。




「ごめん、時間がないんだ。」




僕は椅子に座った。




母は僕のを見てからずっとたしつくしているが、父が僕のへの前に座ったのを見て母が父の隣に座った。





帰国前から聞きたいことは決まっている。




「兄ちゃんが死んだときのこと、教えてほしい。」





僕は今までこんなことの言ったことは一度もない。





この話をすると悲しい顔をすると思ったから。





思った通り、二人の顔はわかりやすいほど悲しげな表情を浮かべた。





本当はこんな顔を見たくなかったが、しょうがない。





どうしても聞かなければならないことだから。




でも、父は違った。




父の表情が明らかに変わった。




ついにこの時が来たか





そう言っているように思えた。




父は立ち上がり、引き出しの中から一枚の紙を取り出した。




そして、その紙を僕の目の前に置いた。




そこには、名前と電話番号と住所が書かれていた。





「この人に会って来い。この人が全てを知ってる。」














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