『、、、泣いただろ?』〜幼馴染の涙の理由


「もうしたよ。父さんから話聞いたその日にっ!!!勿論振られたし、止められなかった。、、、随分冷めてるね。もしかして、、、諦めたの?他に気になる人間でも出来た?」


「いい加減、、、離れようと思う。それが鈴の為だろうし、相手の男も悪い人間じゃない。鈴、笑ってた、、、。俺の時は、あんなに怯えて
、、、泣いてたのにな。」


目を伏せ、切ない表情を見せる。


「何、、?兄さん、、2人を見たの?てか俺の時って?」


「いや、何でもない。、、、たまたま帰りが一緒だっただけだ。鈴は気づいてなかったけどな。ちゃんと家まで送り届けていて、真面目そうな男だった。それに、、辰巳さんに何処と無く似てた。なかなか、、、似合ってた。鈴にはああいった男がいい。」

目を伏せる伊織。


「そんな顔をしておいて、、、よく言うよ。兄さん、自分の顔見た事あるの?そんな、この世の終わりみたいな顔、、、してさ。」


伊織の美鈴への想いの強さを感じて、雅人の方が表情を歪める。


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