泥沼!? 夢見るオトメの恋愛事情【完】
翌朝。
「いってきまーす」
私は、センのトラップに引っ掛からずに、家を出た。
「静月ちゃん、おはよー」
「おはよう」
声に違和感を覚えた。
いつも落ち着いたトーンのしゃべりでお馴染みの静月ちゃんだけど、今日は明らかに低い。
なんか、嫌なことでもあったのかな?
よし、ここは私が面白い話で、この場を盛り上げてしんぜよう。
私は、心の中で腕まくりをした。
なかなか感情を出してくれない静月ちゃんだ。
これは一大プロジェクトになるだろう。
まずは、挨拶程度にセンの話題から入ろう。
「センにね、朝から靴ひもを結ばれてたけど、今日は見事に回避してやりましたよ! 悔しがるセンの顔が浮かぶね! うふふ・・・!」