泥沼!? 夢見るオトメの恋愛事情【完】
「ーーーーーーーーえ?」
長い沈黙の後にようやく出せた音は、それだけだった。
まったく意味の分からない質問だった。
静月ちゃんの表情は真面目で、けしてふざけているようでもない。
「いやいやいや! さすがに幼馴染みでも、合鍵は渡さないでしょ!」
よく分からないが、変な空気なので、なるべくテンション高めで答える。
「・・・・・そうだよね。 普通、渡さないよね」
静月ちゃんは、私の言葉を、噛み砕くように呟いた。
そして、私を見た。
ドキリとする。
静月ちゃんのキレイな瞳の、その奥に、ほの暗い輝きが宿っていた。