泥沼!? 夢見るオトメの恋愛事情【完】



「ーーーーーーーーえ?」


長い沈黙の後にようやく出せた音は、それだけだった。


まったく意味の分からない質問だった。


静月ちゃんの表情は真面目で、けしてふざけているようでもない。




「いやいやいや! さすがに幼馴染みでも、合鍵は渡さないでしょ!」



よく分からないが、変な空気なので、なるべくテンション高めで答える。



「・・・・・そうだよね。 普通、渡さないよね」


静月ちゃんは、私の言葉を、噛み砕くように呟いた。


そして、私を見た。

ドキリとする。


静月ちゃんのキレイな瞳の、その奥に、ほの暗い輝きが宿っていた。





< 34 / 39 >

この作品をシェア

pagetop