泥沼!? 夢見るオトメの恋愛事情【完】
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私は、悩んでいる。
友人に真実を告げるかどうか。
いや、告げることは、もう何度もしている。
問題は、どうやって告げるかだ。
私は、いままで、12回失敗している。
これ以上、手もないように思える。
でも、このままじゃあ、ダメなことは分かっている。
隣でハイテンションでしゃべる友人を、ちらりと見る。
今日も楽しそうに『セン』の話をしている。
『セン』。
本名、風前千里【かぜまえ ちさと】は、
私の元彼だ。
そして、
3年前に死んでいる。
とても、哀しいことだった。
それでも、私は、前を向こうと決めた。
きっと、ふさぎこんでいる私を千里くんは嫌がるだろうから。
でも、
夢実は、前を向けなかった。
夢実は、まだ『セン』の生きている世界にいる。
『セン』が生きている世界を演出している。
『セン』がしそうなイタズラを、自分に仕掛けることで彼の存在を感じている。
千里くんは、確かにイタズラは好きだった。
でも、もっと相手が喜ぶような、楽しめるような、回りを幸せにするイタズラが好きだった。
目を覚ましてほしい。
千里くんと仲が良かった図書室のメンバーの力も借りて、夢見を現実に戻したい。
一緒に、前に歩みたい。
私が夢実を助ける。
隣でハイテンションにしゃべり倒す友人を
死という現実を受け入れられない友人を
虚構という泥沼から出られない友人を
横目に、祈る。
「私がんばるから、応援していてね? 千里」
返事は、もちろん、ない。
でも、それでいい。
私たちは現実を生きているのだから。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
終わり


