幸せを探して
そして、夢の中で私は寝た。


その後の記憶が、無いのだ。



「ああ…」


夢の中に美花が現れたのに、寝てしまうなんて!


そもそも、夢で寝てしまう私がどうかしている。


「せっかく、会えたのに…」


自分の馬鹿らしさと悔しさで、思わず泣きそうになる。


髪の毛を掻き回しながら、私は後悔する。


夢から覚めた今、後悔したって遅いのだけれど。



ショックを隠し切れずに朝ご飯を食べ終わった私は、着替え等を済ませ、いつでも外出が出来る格好になった。


とはいっても、どこかに出かける訳では無いのだけれど。


自分の部屋に戻った私は、自分のベッドへと向かう。


昨日の夜に斎藤君に貰ったニゲラの花束を、自分の机の上に飾ろうと思ったのだ。


ほんの少しくしゃりとしているものの、飾っても問題はなさそうだ。


持ってきていた花瓶に、ニゲラの花束を移す。


そして机の上に花瓶を置き、何の気なしに交換日記を取ろうとした時。


(えっ…?)


私は思わず目を疑った。


昨日の夜に置いた覚えのない茶色のペンが、交換日記の隣に置かれていたからだ。


しかもこの茶色のペンは、生前の美花が愛用していたものだった。
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