幸せを探して
隼人君にはこれ以上言おうとも思えないし、そう思う自分が怖い。


だからといって、他の人にも話せない。


変わらないから。


変わらないって気付いてしまったから。


心配も、迷惑も掛けたくない。



それでも、少しすっきりしたかもしれない。


心の中を、少しだけ整理できたかもしれない。


だけど。


結局は、私は前には進めない。


嘘で塗り固めないと、偽の笑顔を作らないと、自分が壊れてしまいそうで。


それを守り通すのに必死だから。



だけど、本当は。


少しだけ、認めてもらいたかった。


自分の犯した罪を。


そして、変わってみたかった。


私の時計の針が動くのを、感じたかった。



それからしばらくして、私は病室を出た。


「また来てね!今度もポッキー持ってきて!」


と、私より年上だという実感を湧かせないような発言をする隼人君に軽く会釈し、手を振って。
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