《クールな彼は欲しがり屋》

朝、健太郎と一緒に家を出た。
手を繋いで歩く通いなれた歩道。景色は、いつもと少し違う。

「着替えに帰らなくて平気?」

「ロッカーにシャツやなんかの着替えはあるから大丈夫だ」
ネクタイは、昨日私がプレゼントしたネイビー系のを締めてくれている。

「そう。準備がいいのねえ」

「あぁ、出来る男だから、常にそつがないんだ」

「自分でいう?」

「まー、事実だから」

自分に自信がある男は、扱いづらい。

吐いた息が白く舞う。同時に頭に冷たいものが当たった。

足を止めた私に合わせ、健太郎も足を止めた。

お互いに顔を空に向ける。白く小さな粒が沢山舞い落ちてくる。



「雪だ」


「雪だね」

お互いに顔を見合わせ、微笑んだ。


今日は、ホワイトクリスマス。


プレゼントを配り終えたサンタの乗ったソリを引っ張って帰るトナカイ。その首につけた鈴の音が空から聞こえてきたような気がした。

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