少女マンガみたいな恋がしたい!
第3章~王道っぽくないですか?~
嫌だって思ったから。
はぁ……。
授業中、頬杖をついてため息をつく。
ペンをくるくる回して……ってことはできないけど、授業に身なんて全く入らない。
斉藤くんとファーストキスをしてから1週間。
あの感触がまだ残ってる。
そっと自分の指で唇に触れれば、斉藤くんの手や視線、伏し目がちの顔や唇の温もりと柔らかさが鮮明に思いだされる。
やばい。
これはだめだ。
1週間たってもこんなに消えないなんて。
あれ以来、斉藤くんとはなんだか恥ずかしくて目が合わせられない。
自分で言うのもなんだけど、私はいままで誰とでもフレンドリーにしてきた。
そりゃ皆川さんみたいな例外はあるけど、基本的に楽しいことがすきだからみんなとワイワイ騒いでいたら仲良くなってきた。
だから目が合わせられないなんて経験がない。