少女マンガみたいな恋がしたい!
これはだめ。
「……およよ?」
「紗柚、どうかした?」
「上靴になにか入ってた」
登校してきた時、校門のところで会った里ちゃんと一緒に教室へ向かおうとしたら下駄箱で止まってしまう。
靴を履いたら足の裏に違和感があり、せっかく足を入れた上靴をいったん脱ぐ。
中を覗くと手紙折りにされたノートの切れ端。
「なにこれ」
「上靴に入れるとか初めて見たわ」
「私も。
これってもしかしてさ……」
「ベタだね」
「でも!」
「はいはい、まずは開けてみたら?」
里ちゃんに促されて、ごくりと生唾を飲み込んでから意を決して開けてみる。
紙を遠くにして、ゆっくりと目を通す。