イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 





―――あ、なんか思い出して頭が痛くなってきた。


そのままふたりで飲み明かしているうちに、なぜか私は拓海に抱いてと頼むんだと、すっかりその気になっていた。

お酒怖い。酔っぱらいのテンション怖い。

そして本日金曜日、満を持して拓海の家に向かい、抱いてくれと頼み、このザマである。
後悔と自己嫌悪でめまいがする。

穴をほって埋まりたい。
そのまま地中で何年も眠り続けたい。
咄嗟にあたりを見回して穴をほれそうな場所を探したけれど、こんな住宅街で人ひとり入れるだけの穴を掘っていたら確実に通報されてしまう。

「あぁーーーっ!!」

拓海のマンションから駅までの道を歩きながら、頭を抱えひとりうなる。
これじゃ完全に怪しい人物だ。



 
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