手をつないでも、戻れない……
~樹~
久しぶりに会った美緒は、あの頃より、ずっと綺麗になっていた。
美緒の家の葬式の手伝いを頼まれた時、美緒に会う事は間違いないと胸の奥がざわついた。
幼い頃から美緒の事は知っていた。
学校の帰り道が一緒になると、必ず後ろを付いてくる。
その姿が可愛くて、よく美緒を探しては近くを歩くようにしていた。
短大を卒業してから地元に戻って来た美緒は、すごく綺麗になっていて、一目で胸が締め付けられた。
きっと、他の男達がほってはおかないと思い、かなり俺は焦っていた。
子供の頃から、仲が良かった美緒の兄に、飲み会に美緒が行った事を聞いて、俺もその居酒屋に行った。
それがきっかけで、俺と美緒は付き合う事になった。
可愛くて、大切すぎて、美緒をはじめて抱いた時の事は、今でも忘れる事ができない……
そんな頃だっただろうか、幼なじみの美緒の兄の浩平と飲みに行ったのは……
「俺さ、結婚しようと思うんだ……」
浩平の言葉に、それほど驚く事もなかった。
「そうか…… おめでとう」
「ありがとう…… 樹はどうなんだ? 付き合ってる子とかいないのか?」
浩平は、ちらっと俺を見た。
「まあな…… 大切な子はいる。結婚したいとも思っているけど、もう少し先かな?」
意味ありげに言った言葉が、後で大きな間違いへと繋がってしまうなど思ってもいなかった。
俺は、ただただ美緒が好きだった。
久しぶりに会った美緒は、あの頃より、ずっと綺麗になっていた。
美緒の家の葬式の手伝いを頼まれた時、美緒に会う事は間違いないと胸の奥がざわついた。
幼い頃から美緒の事は知っていた。
学校の帰り道が一緒になると、必ず後ろを付いてくる。
その姿が可愛くて、よく美緒を探しては近くを歩くようにしていた。
短大を卒業してから地元に戻って来た美緒は、すごく綺麗になっていて、一目で胸が締め付けられた。
きっと、他の男達がほってはおかないと思い、かなり俺は焦っていた。
子供の頃から、仲が良かった美緒の兄に、飲み会に美緒が行った事を聞いて、俺もその居酒屋に行った。
それがきっかけで、俺と美緒は付き合う事になった。
可愛くて、大切すぎて、美緒をはじめて抱いた時の事は、今でも忘れる事ができない……
そんな頃だっただろうか、幼なじみの美緒の兄の浩平と飲みに行ったのは……
「俺さ、結婚しようと思うんだ……」
浩平の言葉に、それほど驚く事もなかった。
「そうか…… おめでとう」
「ありがとう…… 樹はどうなんだ? 付き合ってる子とかいないのか?」
浩平は、ちらっと俺を見た。
「まあな…… 大切な子はいる。結婚したいとも思っているけど、もう少し先かな?」
意味ありげに言った言葉が、後で大きな間違いへと繋がってしまうなど思ってもいなかった。
俺は、ただただ美緒が好きだった。