chérie〜最愛の人へ〜
そんなこんな話してるうちに、いいんちょーの病室へ来てしまった。
「ごゆっくりどうぞ。」
そう言うと看護師はさって言った。
意を決して、俺はノックする。
トントン
「いいんちょー入るよー」
「はーいどうぞーー!」
「なんだよ。いいんちょー生きてんじゃんw」
キヨはいつものノリで言うが、鼻にチューブが刺さってて、手にも点滴がいくつか刺さってるいいんちょーを見て、俺はこれが現実なのだと思った。
「え、みんなどうしたの?!」
「先生が目を覚まさないって言うからきてやった。感謝しろ?」
「和お前誰目線だよwまぁ心配してくれたのはありがとうw」
いつものノリを心がけてやっと喋ったが、半分泣きそうな俺。
元々涙脆い俺はこういうのは苦手だ。
「てかいいんちょーいつ目が覚めたの?」
「んーとね、昨日の夕方??目覚めたあとすぐ寝ちゃって、結局まだ蒼先生とちゃんと話してないや。」
「めっちゃ最近じゃねーか!!w」
なんとか涙をこらえていつも通りの会話を続ける。
なんかこう、生きててよかったという安堵と、初めて死が近く感じた変な感覚で、俺はそこにいるのが怖くなった。
そして、上岡といいんちょーを2人にしようといったのを思い出した俺は、まだ話したいのを我慢しながら
「あ、じゃ、俺たち果物切ってくるから」
俺たちは病室をあとにした。
何かを察したのか平は、
「じゃ俺たちは花瓶に水入れてるくるから。おい行くぞ根元。」
「お、おう。」
病室に上手く上岡を残して二人っきりにできた。
子供っぼいだろう。
そういうのが楽しいガキだなぁ。俺たちはまだ。
そんなことを考えながら病室をあとにし、肝心の上岡といいんちょーがどうなっていたのかは俺たちが知ることは無かった。