【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
私は何か怒らせるようなことをしてしまったんたろうか。

雅さんはくるりと背を向けるとデスクの向こうに回り、椅子に腰掛けた。私を全く見ることなく、書類に目を通している。


「わ、別れてくれるんですね?」
「ああ。ハニーがそういうならしかたないね。あ、もうハニーではないな。藍本さん、駅前再開発プロジェクトのこと、よろしく頼むよ」
「はい」


私は一礼してドアに向かう。もう一度、もう一度だけ雅さんの顔が見たい。できたらあの甘いマスクの笑顔を。それが無理なら冷徹な表情でもいい。

そんなことを願いながら振り返る。
でも雅さんは私の存在などないかのように書類を見ているだけだった。




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