チェンジ! ~僕に恋して君を愛する~
「僕」から「俺」に、チェンジ! 
「高校3年の夏休みのときだった。私は18になったばかりで。あの人のことは全然知らなかった。恰好から、ダム建設のために来てる土方の人だとは察しがついたけど・・・あのときが初対面。あの人も私のことなんて知らなかったはずよ。つまり、あの人が女に飢えていたとき、たまたま私を見つけてしまったのね。私・・抵抗したけどあの人の力にはとてもかなわなかった」
「そりゃそうだよ。当時の“りげんさん”はまだ26か7歳で、酒浸りにもなってない、健康で屈強な男の力にかなうわけがないじゃないか」

僕は時子さんを労わるように、背後からそっと抱きしめた。
もし、時子さんが外見「りげんさん」である僕に触れられることを嫌がる素振りを少しでも見せたら、即離れる気だった。
でも時子さんは、余計に込めていたと思われる力を、僕にゆだねてくれた。

やっぱり、時子さんは僕のことを、僕として見てくれている。
外見はそのままでも、僕が「りげんさん」ではないと思ってくれている。
それが僕には嬉しかった。

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