幼なじみが好きでしょうがない



次の日。

「いってきます」

ついこの間まであった、私の大好きな人の

姿。靴。香り。


それが、今はない。


重い足取りで、玄関のドアを開けた。

「あ、芽生っ!おはようっ!!」

「りり…………」


今日も迎えに来てくれてるの……。



「ねぇ、今日、一限目から日本史だよ?眠いったらありゃしないよ~」

「爽くんの家の犬がね、すっごい面白いのっ……」

明るい話題をひたすら私に、話しかけてくれてる。


「ありがとうね……りり。」

「ん~?何が~??」


そう言って、ヘラヘラと笑ってる。




学校につくと、柊真の姿を見つけた。

その瞬間に、りりは気をつかってくれたのか自分の席にすぐに座った。

私は、柊真の席に行き、柊真の肩を叩いた。



「柊真……話したいことがあるんだ。」

「え…あ、うん、じゃあ、放課後、家くる?」

「うん……わかった。」

そう言って、私も、自分の席に戻った。



1時限目の日本史が始まった。

先生が永遠と話してるだけの
くっそつまらない授業で、斜め前のりりは、開始2分で寝てる。


りりはさ、寝てるくせに、テストはできるんだよね~。

私は、全くダメ。


大雅に教えて貰ってたけどさ?

それでも……追いつかないくらいの馬鹿さ。


まあ、授業中にこんな事考えてるからだろうけどさ?



あー眠た。

私も瞼が、落ちてきそうになったので
気分転換に、窓の外を見た。


すると、なぜか逆側の校舎の屋上に生徒がいた。

えっ……授業中だよ?


サボりかよっ……………………………………

えっ…………。


大雅…………?


相手は……昨日一緒に帰ってた清水さん……。



二人、付き合ってるの?

マリアと、付き合ってたんじゃ…………。



どういうこと……?


その後も、頭の中でぐるぐる考えてしまって
授業の内容は全く頭に入らなかった。


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