幼なじみが好きでしょうがない
【芽生Side】
「その後、大雅は、走って家に帰った。」
私に、それを言うために……
それなのに……私…っ。
涙が止まらなかった。
最近、ほんと涙脆いなあ。
爽太くんは続けた。
「一年前の、あの事件の時の話。してもいい?」
え…………?
「これは、大雅には言うなって言われてたけど、二人見てると、こっちも苦しくなるから。」
爽太くん…………。
「実は、あの事件のこと大雅は知ってたんだ。」
え……………………
「そんなはず……ないっ…………」
「あいつは、池田マリアに『私と付き合ってくれなきゃ、芽生ちゃんに意地悪する』そう言って、脅されたんだ。」
大雅はそんなこと出来ないって答えた。
芽生が大事だから。
そう、言ったらしい。
なに……それ………………。
そんなの知らない。
初めて聞いた。
でも、あの事件が起きて、大雅は自分のせいだとせめた。
「だから、大雅は芽生ちゃんと距離を置いた。そして、池田マリアと付き合うようになった。」
そう、だったの…………。
私、何も知らなかった…。