【SS集】1分で読める超短編 ☆ホラーver☆
「なあ、お前笑うなよ?」
自分の中だけに留めておけなくなって、オレはついに友達にカミングアウトした。
高校のクラスメートの佐々木だ。
オレが自分の身に起きていることを淡々と伝えると、佐々木はごくりと唾を飲み込んで言った。
「田辺、お前もなのか?」
ということは……!!
佐々木の細胞も生きていた。
しかもオレの細胞と同じで、愚痴ばっかりはくらしい。
「しまいにはパーツ同士で喧嘩してさ。みんな仲悪いんだよね」
そうか、喧嘩しないだけオレの細胞はましだな。
佐々木とはまた話をする約束をしてその日は別れた。
仲間が見つかってよかった。
もしかしたらオレたちの他にも仲間がいるかもしれないな。
明日は佐々木に何か知らないか聞いてみよう。
次の日、佐々木は学校を休んだ。
オレは折角見つかった仲間と話せなくて残念に思った。
また明日になるか……
だが、次の日もまた次の日も佐々木は来なかった。
どうしたんだ?
「あの、先生、佐々木はどうしたんですか?」
不思議に思ったオレは担任に尋ねた。
「今日みんなにも伝えようと思っていたんだが、佐々木は…亡くなったよ」